粉末を一定量ずつ計量して容器の中に詰めることを粉末充填という。粉末充填での重要な点は,容器の中に過不足なく所定量の粉末がおさまっていることである。
一回服用の小包装から用途によっては中包装、大包装まであるが、範囲が広いので、小包装に絞って以下説明する。
計量の精度確保を図るため次のような構成を持つ。
(a)ホッパー部(レベルコントロールにより粉圧一定に)
(b)切り出し部(計量部へのスムースな流れ込み)
(c)計量部(精度確保)
(d)充填用ノズル(計量された粉末を容器に詰める役目)
(e)集塵部(粉の飛散防止)
(f)シール部(容器の密封性確保)
(g)重量チェック(包装後、所定量が入っているかチェック。範囲外は排出)
装置の分類としては粉末を計量する方法のちがいで重量方式と容量式の2つの分類がある。
(a)重量式 粉末物性バラツキの大きいものは事前に秤量して充填する。
(1)ロードセル等の秤を搭載したフィーダー装置より粉末を切り出し、充填する。
(2)複数のホッパースケールに小分けされた粉末を重量の組み合わせで、充填する。
(b)容量式
包装機と一体化されており、計量マス式とオーガー式と真空容量式の3つがある。
(1)計量マス式
四方シール・スティック包装など一回服用の小分け包装として一般的な計量方法で、粉末の比容をはかり所定重量に相当する計量マスの容積
を決める。今まで手動によりこれを調整していたが,現在は重量値に基づいて計量マスを自動的に制御するのが一般的。集塵が必須。
(2)オーガー式
スティック包装からピロー包装まで広く利用されている。スクリュー径と回転数制御により容量を決めている。
スクリュー径によって微量用から大容量用まではかることができる。微粉や流動性の悪い粉末を計量するのに有利である。
特に袋の最奥までオーガーが入るロングオーガー方式は粉立ちを防止できる。包装後に重量チェックし嵩密度等の増減に対応するためフィード
バック機構搭載機が主流。
(3)真空容量式
バイアルなどへの粉末注射剤充填に利用されている。ソケット(孔)のなかに粉末を吸引、容器へ充填するときは吸引を止め逆に圧空で
マスから押し出す方式。粉が固められているので充填時に粉立ちが少ない。
質量の保証 重量の自動計量とフィードバックシステム
(a)容量式の運転パラメータとして次のようなものがある。
(1)マス式・・・・・・マス開度のコントロール
(2)オーガー式・・・・スクリューの回転数コントロール
(3)真空式・・・・・・孔深(ピストン)のコントロール
(b)マス開度、スクリュー回転数の運転パラメーターコントロールの例として、オンラインの秤量器からのデータによる開度、回転数のコントロールフローを図1に示す。
更新日:2010年10月18日